コロナ禍の中、先日5月16日にITコーディネータ(以下、ITC)京都の第17回総会をZOOM会議によって開催しました。30名を超す会議で定款の変更や新理事選出などリアルでないと難しいようなことも何とかやり切ることが出来ました。2020年度は会議やセミナーのやり方を大きく変革しなければ前に進めない構造になりました。
■Zoomでの総会の展開
NPO法で必ず年1回は総会開催が義務付けられており、開催は必須ですが今回のように新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、社員総会が開催しづらい状況での場合、「社員が実際に集まらずとも、様々な新たなIT・ネットワーク技術を活用することによって、実際上の会議と同等の環境が整備されるのであれば、社員総会を開催したものと認められます。その場合、役員のみならず、社員も発言したいときは自由に発言できるようなマイクが準備され、その発言を他者や他の会場にも即時に伝えることができるような情報伝達の双方向性、即時性のある設備・環境が整っていることが必要です。」と内閣府NPOに関するホームページに掲載されました。
既に4月の理事会や新しく立ち上がった研究会もZOOMで開催しており、一部の参加者の事前接続テストのみで順調に推移しました。今回、新理事選出と第1回理事会において理事長選出や新体制の役割分担があるため、本来なら別室にて検討会議を行いますが、ネット上であるためZOOMのブレイクアウトルーム(セッションともいう)機能を利用しました。リアルでのやり方とほぼ同様な総会進行を行うことが出来ました。総会終了後、ネット上での懇親会も行い、初対面の方々の良き交流になりました。
■ITC京都の運営
ITC京都は2004年にNPO法人化されて、早16年が過ぎました。現在、正会員60名、賛助会員7社の陣容です。企業内ITCが約60%、独立系ITCが40%で、会員の住所分布をみると京都府61%(内、京都市45%)、大阪府19%、滋賀県12%、その他8%の分布になります。理事は20名にもなります。
組織的には、事務局長、会計、広報(ホームページやメルマガ、Facebook配信等)、教育企画(セミナー、例会等)、研修事業(ITC育成のケース研修、ITC京都道場)、経営支援事業(IT経営コンサルティング、IT導入補助金等の支援、IT経営やAI/IOT講演等)、会員活性化(会員向け各種サービス、内部情報共有サイボウズ運営等)各グループ合わせて20名の理事が会員と一緒に活動しています。
先にあるように企業内ITCが多いため、勤務の時間外にボランティア的な活動をしますので時間的制約があり、理事の人数で少しでも負荷の平準化を図っています。ITC会員の入会目的は色々ありますが、何と言ってもIT経営ほかの知識・技術の知見を広めることに加えて、多様な人脈形成ができることが大きな財産となります。コロナの時代にあって、これからはF2Fだけでなく、ネットを通じての交流が増え、移動時間を考えると効率的な活動が可能となります。
さらに、ネットをベースにリアルを併せ持つことによりセミナーなども全国からの集客も期待できます。
■ITC京都の新しい取り組み
2019年度から新たな研究会が2つ発足しています。一つは「AIビジネスデザイン研究会」です。中小企業からの「AIで何かできないか」といった漠然とした相談にも応えられるようAIの知識体系やコンサルティングのフレームワークの構築を目指しています。最近ではディープラーニングなどの技術を使った音声や画像認識など様々な事例が出てきています。各種AI技術と事例研究からAI適用技術習得を目指す、現在14名で活動している研究会です。
もう一つは「介護ソリューション研究会」です。高齢化社会の中で介護現場は様々な課題を抱えています。しかし、介護現場はITスキルの問題もあって、ITの利活用が大きく遅れています。介護現場にかかわる当事者とIT等で支援するITCが同じ土俵で話し合い、一緒に課題を洗い出し、有効な解決策を生み出していくことを目指しています。現在10名で活動を始めました。
さらにITC京都の長い歴史の中で、特筆すべきものに“継続は力なり”のメルマガがあります。2002年6月17日に初代理事長が執筆されたコラムから始まり、毎週様々なキャリアの執筆者(現在、約25名)が入れ替わりで執筆し、250名の読者に配信されています。このコラムで実に934号となり、私の書いたコラムの21回目になります。同内容がITC京都のホームページの“経営とITの話”にも掲載されており、時代の変遷とともにプッシュ型の方法もSNSほか多様なメディア手段がある中で、今年度は配信方法を変更したいと考えています。そして何といっても引き続き、多くの読者の方々に愛されるような魅力ある内容に変革していきたいと思います。
(参考)
内閣府NPOに関するホームページ:?新型コロナウイルス感染症に関連した情報
<https://www.npo-homepage.go.jp/news/coronavirus/coronavirus-qa#qa_01>
■執筆者プロフィール
ヒーリング テクノロジー ラボ 代表 下村 敏和
ITコーディネータ&インストラクター
電話番号:075-200-2701
e-mail:t-shimomura@zeus.eonet.ne.jp
コメントをお書きください