昨今、市街地であれば、LTE(高速携帯回線)を使い、高速でインターネットに接続できる状況になってきたので、外出先からパソコン画面共有を利用しています。
パソコン画面共有とは、1台目のパソコン画面を2台目のパソコン画面に同時に表示するものです。表示のほかに、1台目のパソコンでマウスを移動させると、2台目のパソコン画面でも同時にマウスが移動します。同様に、文字を入力していくと、2台目のパソコンに文字が入力されていく様子が表示されます。このマウス操作や文字入力は、片方は操作ができるがもう片方は禁止する、反対に双方向から操作や文字入力をするといった制御ができます。
パソコン画面共有は、様々なシーンで利用できると考えています。
たとえば、会議室では、ホワイトボードの代わりに大きなディスプレイやプロジェクタ、机にはパソコンと画面を設置します。パソコン画面共有を使えば、ホワイトボードの代わりに設置したディスプレイに文字を入力すると、手元のディスプレイに即座に同じ画面が表示されます。タッチパネル付きのディスプレイであれば、手書き文字の入力ができ、ホワイトボードの代わりになります。
机のパソコン画面を見ることで、遠くのホワイトボードの文字が見にくいというデメリットが解消されるうえ、手元のパソコンからホワイトボードに見立てたディスプレイに、画面の前に行かずに即座に自分の資料や手書き文字を表示できます。
このような使い方は、会議のほかにセミナーや講習会など講義形式のときに有効です。講師が受講者に画面を見せながら、通常の講義を行うことはもちろん、受講者が「この部分に関して質問がある」というときに、画面の特定部分を指し示すことで、質問したいポイントが参加者全員に伝わるのです。
このようなインタラクティブな会議や講習会をおこなうことで、1対多のコミュニケーションを効率的にできます。
この方法は1対1のコミュニケーションの効率化にも貢献します。具体的には、社内や社外でフェイスツーフェイスでなく、電話やメールを使ったコミュニケーションを行う場合です。
たとえば、Excelの売上管理表などをメールに添付し、送った後電話をすることがあります。資料の送信者は、送った資料の「ある部分」を見て、「例の烏丸支店の売上だけど」と話すでしょう。しかし、受信者は、資料の同じところを見ているとは限りません。「どの売上だよ!」と意思疎通がうまく図れないことも多いでしょう。この際にパソコン画面共有を使います。資料の送信者が、自分のパソコンの画面を見せてマウスで指し示し、「この部分の売上だけど」と、同じ画面の同じ資料を見ながら話をすることで、フェイスツーフェイスでコミュニケーションしている時と同様なイメージで会話ができます。
電話だけでコミュニケーションを行うと、「あの件だけど」「この部分だけど」では通じませんが、マウスで場所を示すことで、「あれ、これ、それ」という会話ができ、ストレスがありません。
社内・社外にかかわらず、パソコン画面に表示した資料を共有してコミュニケーションを効率化する方法を提案しました。具体的に進めるには、社内はVNCなど画面共有ソフトが有効です。インターネット経由で社外の方と画面を共有する場合は、インターネット電話で有名な skype
が使えます。他にも様々なソフトウェアや、クラウドサービスがあるので、利用形態にあったものを使用することになります。
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■執筆者プロフィール
山口 透(とおる)
流通業や製造業等でIT戦略策定支援やバランススコアカードの導入、デジタルサイネージの導入支援などを行っている。ITコーディネータ、システムアナリスト
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