もうすぐ5歳になる息子を連れてお菓子売り場へ。
良く買うものと言えば・・・
・LOOK(1962年、不二家、4種類の味のチョコレートが入っている)
・ペンシルチョコレート(1960年、不二家)
・マーブルチョコレート(1961年、明治、日本初粒状チョコレート、7色入)
・アポロチョコ(1969年、明治、ギザギザ付円錐形、イチゴとミルクの2層)
・チェルシー(1971年、明治、バタースカッチとヨーグルトスカッチあり)
・いちごみるく(1970年、サクマ製菓、サクサク感が特徴)
・ポッキー(1967年、江崎グリコ)
・チョコボール(1967年、森永製菓)
・かっぱえびせん(1964年、カルビー)
・おにぎりせんべい(1969年、マスヤ)
・ハッピーターン(1977年、亀田製菓)
本メルマガの読者層詳細はわかりませんが、40代半ばの筆者にとってこれか
らのお菓子は自身が子供の頃に良く食べていたものばかり・・・すべてご存知の
方も多いことと思いますがいかがでしょうか?それもそのはず不二家のLOOK
は発売50周年、他のお菓子も40~50年のロングセラー商品です。
さてこの状況は、筆者が食べていたから子供にも好んで食べさせているのでし
ょうか?それとも根強い商品力によって子供達に選ばれ続けているのでしょうか?
また、これらの商品は発売以来ずっと変わっていないのでしょうか?
各社のホームページで各商品の歴史を調べてみると、こんなのあったかな?と
思うものもあり、そうそうあった!あった!というものもありました。しかし、
総じて最終的には原点回帰・・・の印象を受けました。やはり、ぶれないコンセ
プトがロングセラーの条件と言うことでしょうか。変遷の中では、パッケージの
形状を変えてみる、デザインを変えてみる、というような見た目のわかりやすい
リニューアルや、味のバリエーションを増やしてみる、包装形態・容量を変えて
みるというものが目立ちました。しかし、消費者が気づかないところで時代に合
わせて基本の味を守り続けているものが支持され続けているのではないか、とも
思いました。例えば、森永製菓のチョコボールは1967年の発売開始以来、カ
カオなどの配合を改変し続けているそうです。気が付きませんでした・・・。子
供の頃憧れだった「おもちゃのカンズメ」も20回以上リニューアルされ、現在は、
宇宙や地球がテーマになっています。キャラクターのキョロちゃんも時代と共に、
丸みが増し可愛くなってきています。
最近の傾向では、「コラボ」も増えてきています。銀マーク、金マーク以外に、
キャラクターコラボシリーズの仮面ライダーチョコボールやプリキュアチョコボ
ールは、必要枚数を集めれば必ずもらえる景品があります。いろんな味を楽しみ
ながら大当たりを楽しみにするのか、好きなキャラクターの景品が欲しくてひた
すら応募券を集めるのか、これぞ消費傾向の2極化現象でしょうか。コラボ品と
言えば、チロルチョコ、チョコボール、ブラックサンダー(ユーラク)の3者コ
ラボも売り場をにぎやかしているシリーズでしょうか。売り場で競争するのでは
なくコラボするというのも一つの大きな流れのようです。
本題に戻りまして・・・いまもなお売れ続けているロングセラー商品、チョコ
レートやキャンディ、スナックなどジャンルがかぶっていないのも特徴でしょう
か。子供の頃、遠足のおやつを決められた金額内で選ぶとき、チョコレートとキ
ャンディとスナックと・・・ジャンル別にその中からどれにしようかと迷った記
憶があります。大人になった今もなお、食べておいしい、飽きない味というのも
特徴でしょうか。そんな馴染みのあるロングセラー商品がリニューアルされるこ
とは消費者にとっての安心感であり、ちょっと冒険的な展開であったとしても受
け入れられるものなのだと思います。企業にとっては、時間やコストがかかる新
製品よりも定番品の改良が収益強化の早道というところでしょうか。
ここで、ちょっとおもしろいなあと感じた展開についてご紹介します。
・LOOK4色クリームパン。不二家と山崎製パンのコラボ、50周年のマーク
入りパッケージは発売当初のLOOKそのもの、味も当時の4種類。他にも4
色ではなく1色ずつの展開もありました。
今回はお菓子売り場をテーマにしましたが、いろんなジャンルの商品において
も同じ傾向がみられることと思います。これは、景気が低迷する中で消費者の商
品選択の目が厳しくなり、当たり外れのある新製品よりも慣れ親しんで安心感の
ある定番品を好む消費者心理が背景にあるのではないでしょうか。そして企業は
商品のマイナーチェンジに工夫を凝らし、息の長いブランド育成に日々努力して
いる・・・。さて、今回例にあげたお菓子の中で、息子が大人になった時にもロ
ングセラー商品であり続けているものはどれでしょうか。きっとどれもみんな孫
と一緒に食べている気がします。
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■執筆者プロフィール
中川 普巳重(なかがわ ふみえ)
(財)京都高度技術研究所 経営・新事業創出支援本部 コーディネータ
中小企業診断士、ITコーディネータ、日本経営品質賞セルフアセッサー、
(財)生涯学習開発団体認定コーチ、キャリア・デベロップメント・アドバイザー
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