クラウド一年/宗平 順己

 8月のコラムでCloud とCrowd の組み合わせで面白いことがおきますというこ
とをお話ししました。そこで、この一年間の特徴的なできごとをまとめてみまし
た。

<Crowd>
・iPhoneの登場によるユーザのユビキタス環境の急速な変化
 優れた操作性と常時接続で「どこでもインターネット」が真に現実になった。
 PCの代わりとしても利用可能な画面サイズ。
・twitterの広がり(特にビジネス活用)
 ビジネス雑誌で特集が組まれる。列車の運行停止、事故情報の伝達において
 Crowdパワーを発揮。
・天気予報改革
 既存観測網に基づくシミュレーションを、多くの市民からの実況報告をもとに
 修正。Crowdソーシングの典型例。
・消費者レイティングパワー
 価格.com、楽天トラベルなどの消費者コメントが購買意思決定に与える力がま
 すます強大に。

<Cloud>
・不景気を背景としたIT予算縮小に伴うサーバなどインフラにおけるグループク
 ラウド化の進展
 仮想化とそれに伴う標準化がコスト削減とガバナンス強化に大きな効果がある
 ことへの気付き。
・パブリッククラウドの幻想の消滅
 AmazonEC、GoogleApps、force.com、 使おうとすると一筋縄ではいかない。
・SaaSの不振(数は多く出ているが)
 日経コンピュータでクラウドの値段として特集されるほど数は揃ってきた。
 J-SaaSも盛んに普及策を務める。が、思う様に利用は広がっていない。企業シ
 ステムとして利用する場合の様々な課題が顕在化した。

 一般利用者向けへのL+Rの組み合わせはどんどんひろがっています。iPhone
やtwitter など人々はどんどん創意工夫して新しい使い方をみつけていきます。
古い固定観念でこの動きをみているのではなく、簡単なことですので、どんどん
皆さんも使ってみることをお勧めします。一度使うと「目からうろこ」です。そ
こから新しいビジネスを発想しましょう。私はiPhoneがビジネス形態やネット販
売の形態を大きく変化させるだろうと想定しています。
 大きな投資が不要なのがクラウドの特徴です。中小企業でも個人でも良いアイ
デアをビジネスに結び付けることが可能です。
 これはというアイデアを思い付かれたら是非、ITコーディネータ京都にご相談
下さい。ビジネス化へのお手伝いをさせて頂きます。

(参考)コラム「LとRのクラウド」(2009.08.17)
    http://www.itc-kyoto.jp/itc/index0372.html


■執筆者プロフィール

氏 名 宗平 順己(むねひら としみ)
所 属 (株)オージス総研 執行役員 技術部長
資 格 ITコーディネータ、公認システム監査人

専門分野
・SOA
・BSC(Balanced Scorecard)
・IT投資マネジメント
・ビジネスモデリング
・IT統制