Webマーケティングの勧め/小久 保弘

  最近のWebマーケティングでは、大きな意識改革が必要なのでは?と思う。
 フラット化する世界の進化は、国の流れも変え、人の行動も変えて行く。何時でも、
映像の形で、世界が自由に見え、全ての情報が対面しているパソコンから自由に取り出
せると言う感覚。そして、その感覚が当然の形で、行動化されているネット世代といわ
れる30代のビジネスでの中核化。
 しかし、中小企業の多くでは、Webサイトを作る事で、結構頑張っていると思って
いる企業トップがまだまだ多いようで?実際の結果を出している企業との大きな格差を
感ずる。
 Webサイトは、企業内の再構築、再定義の結果としてあるべきなのだが、多くは、
Webサイトを担当ベースで作らせて終わりと思っている、、、、、のでは。
 Webサイトをベースに、毎年の実績と伸び率を示しいている頑張っている企業は、
まず、社内の再構築があり、その結果をWebサイト化している。そのアプローチに安
易さはない。取り組みの意識と行動が大分違う。

 まず、進めるにあたり、自社の進むべき方向性の明確化、再確認が必要である。その
ためには、それなりのメンバーによる横断的プロジェクト化と経営戦略策定そして、
IT化戦略化策定が必要不可欠な行動ではないか?
 結果を出している企業は、概ねこの流れを実施している。安易なWebサイト化には、
結果は伴わない。そして、Webマーケティング推進においても、以下の4Cを意識し
て、Web戦略を策定する必要がある。

1)顧客(Customer)は?
■自社の想定する顧客をまず、絞り込むのが重要。
 経営戦略に沿った顧客層は?従来のレピート客、新規分野からの顧客、現顧客の拡大
(1)現在の顧客の分析
  当社、当社製品の魅力は?
(2)Webアンケート活用
  専門企業への依頼
(3)技術関連サイトからの情報収集
  検索による関連企業情報収集
(4)顧客行動パターンの把握
  グループインタビューによる改善等

2)競合他社(Competitor)は?
ベストプラクティスとしてのアプローチ
■Web上での他社の情報収集が重要
 自社の想定する顧客に対する他社の活動を把握する。
(1)想定キーワード、ビジネスエリアでの検索情報化
 最近は、サイト状況を無料で分析してくれるサイトも多くなってきた。
(2)想定競合状況
  強みは?営業施策は?
(3)想定競合のサイト状況把握
  キラーコンテンツ、導線、設定キーワード
(4)競合サイトへのトラフィック状況

3)自社(Company)は?
■Web上での自社の把握が必要
(1)自社、自社製品認知度の把握
  検索レベルでの状況は?ビッグキーワードでの検索順位は?
(2)自社サイトの分析
  見易さ、使いやすさ、キーワード分析。サイトユーザビリティは?
(3)自社の強み、売りの創出
  無ければ、創り出す
(4)優位点の創出
  Web上でのブランド化、SEOの上位化、デザイン、納期、等

4)市場環境(Circumstance)は?
■市場環境の変化に対して自社のセンスアップが必要
(1)Webソリューションの的確な活用
  多種多様なソリューションの把握
(2)自社業界の先行き感
(3)関係する一般消費者動向

 そして、Webマーケティングでも、戦略化、企画化、開発、運用、運営のフェーズ
は必須であり、これをPDCA化して継続的なレベルアップを図る必要がある。
 しかし、結果の出ていない多くの企業では、Web開発のみで、終わっている。また、
私が支援している企業の顧客のほとんどは、一般企業である。B2Bが基本である。
 Webサイトを担当程度に任した企業のサイトは、上の4Cの意識不足もあるが、ま
た、顧客想定が不十分な点から、多くのWeb製作会社が喧伝するB2Cアプローチで
サイト構築をしている。初めから、大きな間違いがあるようである。

 いずれにしろ、Webサイト構築も、経営トップの意識改革が必須である。
 自社のポジション、他社の活動状況、顧客への対応、全てがWebの世界で、収集し、
選別できる。例えば、その一端である「Googleツール」について概況を述べよう。

1)Trends
 あるキーワードがどれだけ検索されたか?件数の推移をグラフ化して、提示する。こ
れにより、世の中の思い、考えの概要が見えてくる。
2)Adwordsキーワードツール
 あるキーワードの過去の検索状況が分かる。例えば、競合サイトがどのようなキーワ
ードで、売り上げがアップしているのか?
3)アラート
 指定したキーワードに関連したサイト情報をメールしてくれる。関連他社、業界の動
きが把握できる。
4)ウェブマスターツール
 サイトマップデータの作成方法と生成ツールであり、SEO的に有効となる。
5)ウェブサイトオプティマイゼーション
 サイトのコンバージョン率、直帰率を上げるための改善策が分かる。
6)Analystics
 指定サイトのWebアクセス解析を行い、Webサイトの強化を図る。Webサイト
の運営、運用では、重要なツールである。

 Webはデータも、システム運用的にも、全てが、デジタル的、定量的に把握される。
このため、系統的なアプローチ、具体的な目標数字に基づいた戦略が必要である。既に、
勘と度胸のKDDの世界は遠い昔。
 Google以外でも、Yahooも同様のツールを持っている。また、ピタゴラス
と言うツールは、自社のポジション、キーワードの設定具合など、もすぐに、提示して
くれる。
 Webマーケティングも、過去の経験よりも、多数存在し始めた上記のようなツール
をいかに上手く使いこなすか?の時代になっている。


■執筆者プロフィール

小久保弘
ITコーディネータとして、生産力強化、営業力強化について、京都、滋賀での研究会
、セミナー、個別支援をしています。