SaaSを使いこなそう/宗平 順己

 いよいよSaaS(Software as a Service)の取り組みが本格化してきました。
商工会などを通じて、個人企業向けにネットde会計の紹介・導入セミナーがスター
トし、SaaSが身近なものとなってきています。
 総務省系のNPOであるASPIC(ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアムが、1月に
発表した、『ASP・SaaS・ICTアウトソーシングアワード2007/2008』の受賞企業を
みると、下記に示すように実に多様なサービスが登場してきています。

■総合グランプリ
 不動産管理ASP・SaaS「@プロパティ」
■バックオフィスアプリケーション分野グランプリ
 ASP型勤怠管理システム「バイバイ タイムカード」
■情報系アプリケーション分野グランプリ
 統合顧客管理システムSynergy!(シナジー)
■ベストベンダー賞
 企業間サプライチェーンマネージメント
■ベストブレイク賞
 基幹業務ASPサービス「ちゃっかり」シリーズ
■委員会特別賞
 DENTALフレンドASP
■委員長特別賞
 Tuais次世代オーディオ・ミキシング&オーディオコンテンツクリエーション
■ノミネート賞
 自動配車・配送計画最適化サービスe-SmarTrack
 住宅地図配信サービス「MaDoRE」
 自治体向け地図配信サービス「Geogate」
 渋滞情報配信サービス「ViewRoad」
 @Tovas(あっととばす)
 オンデマンド電子化アーカイブソリューション
 ネットde会計

 SaaSの特徴は、以前にも書きましたが、利用者はインターネットにつながるパ
ソコンさえあれば良く、自分たちの仕事にあうように画面のつくりやデータ項目
を自分で設定でき、月々の使用料を払うだけで使うことができるということです。
 このSaaSを使う場合の留意点ですが、「使われないようにすること」に尽きま
す。SaaSに限らず、パッケージソフトを使う場合も、このソフト使って業務を良
くしようとすると失敗します。では、どうすれば良いのでしょうか?
 常日頃から、業務を変えないといけない、何か新しいことをしないといけない
という問題意識を持っていることがまず大事です。しかし、方法がわからなくて
困っているという方が多いと思います。
 問題意識があれば、展示会やホームページ、セミナーなどで、SaaSに触れるこ
とで、何かできそうだという感触を持つことができます。その上で、このように
業務を変えようという具体的なプランを作って下さい。
 自分なりの思いを描くことができれば、ベンダーを呼んで、自分の思いをどの
ように実現できるのか、提案させて下さい。
 このような手順を踏むと、SaaSやパッケージを使いこなすことができます。繰
り返しになりますが、自分がどうしたいのかを明確にすること、これができない
とどうしようもありません。
 ITCはこのお助けをするための訓練を受けているプロです。ですので、今後、読
者の皆さんがSaaS導入を検討されるときには、是非ITCの力を活用されることをお
勧めする次第です。


■執筆者プロフィール

氏 名 宗平 順己(むねひら としみ)
所 属 (株)オージス総研 技術部長
資 格 ITコーディネータインストラクター、ITコーディネータ、
公認システム監査人

専門分野
・BSC(Balanced Scorecard)
・IT投資マネジメント
・ビジネスモデリング
・IT統制