今日は、2月18日号の「セルフマネジメントで毎日が楽しくなる」に引き続
き、育児休暇を経て仕事に復帰し、仕事と家事育児の両立を通じて日々感じてい
ることをタイムマネジメントという観点から少し書いてみたいと思います。
1)待つことをやめる
仕事も家事も「待ちの時間」の存在を意識したことはありますか。自分ひとり
で完結することは以外に限られていて、上司の承認待ち、お客さんからの返事待
ち、他の人の資料待ち、家族の帰宅待ち、入浴待ち、食事待ち、など、1日の中
で「待ちの時間」は結構あるように思います。
待っていると思うことがストレスの原因になるかもしれません。あれもこれも
片付かないとイライラし、愚痴のひとつも出るかもしれません。
そこで、待つことをやめてしまう!のはいかがでしょうか。
もちろん上司の承認を待たず勝手に事を進めるという意味ではなく、承認が出
たらすぐに次のステップに進めるように、先にやっておけることをやっておくと
言う意味です。家族全員の入浴が終わらなければ洗濯ができないといつもの習慣
として自分で決め付けていたことを、全員分の汚れ物が揃っていなくても洗濯を
して干してしまうだけでどんなに気持ちが楽になり物事が先に進むでしょうか。
2)ながらをやめる
同時平行して複数の仕事を机の上に(パソコン上に)広げる。一見効率的なよ
うに思えますが果たしてそうでしょうか。手は2本、頭は1つ。同時に平行して
やっているつもりでも、結局は、1つ1つの仕事をあっち行きこっち行きしてい
るだけで、かえってどれも中途半端になってしまうこともあるのではないでしょ
うか。考えが煮詰まってしまって、気分転換に他の仕事を広げることはあっても、
あれもこれも同時には考えられないような気がします。もちろん、返事待ちの時
間などをうまく活用して、他の仕事のできる部分を先にやり、返事が来たら元の
仕事に戻り続きをやる・・・という隙間時間の活用は重要なのですがそれには後
述のちょっとした工夫が必要になります。
朝食の準備・食べる・片付けるの間に洗濯機を回す。一見時間を有効に使って
いそうなのですが。子供が思うように食べずいつもより食事に時間がかかってし
まいそれに手を取られていたら・・・洗濯機の中の洗濯物はしわになり、干せな
いまま出勤なんてこともあり得ます。夜自分が入浴する間に洗濯機を回し寝る前
に干してしまえば朝のバタバタもなくなります。
3)いつもの習慣を見直して臨機応変に順番を変えてみる
朝ごはんは朝、夕ご飯は夕方に作るものという考え方をやめる。食事も終わり、
子供の入浴も終わり寝かしつけた後に、食事の片づけと一緒に翌日の朝食、夕食
の準備をします。日曜日など時間に余裕のある夕食準備の際には、野菜の下茹で、
肉や魚の半調理、作り置きのおかずなども一緒に作ってしまいます。
毎日食事の準備はするものの、順番を変える(食べてから作る)だけで、一日
分、1週間分、タイミングをずらすだけで食事の準備がとても楽になります。
4)物の置き場所を決める
昨日のあの書類どこに置いたかな・・・あの時のあの資料どこに閉じたかな
・・・など仕事の途中で物を探す時間はありませんか。
保育所に持っていくものを準備する際にも、オムツカバーに着替え7セットに
タオル2枚・・・あのズボンどこに入れたかしら・・・タオルが1枚足りないわ
・・・なんてこともあるかもしれません。
現在進行中の書類は、書類ボックスとクリアファイルを活用して、すぐに仕事
が始められるように出し入れしやすくざっくりと整理します。「ざっくりと整理
し出し入れがしやすいことがポイント」で、ファイルに閉じたり細かく分類しす
ぎると、出し入れがしにくくなりどこに分類したかを結局探すことになります。
仕事の途中である仕事に関連する書類を渡されたら、机の脇の書類の山に置かず、
該当ボックスへ放り込んでおきます。
保育所に持っていくものは毎日決まっているわけですから、洗濯物を畳んで片
付けるときに「保育所用かご」を準備してそこに入れておきます。畳む余裕が無
ければとりあえず放り込んでおきます。
他にも、良く使うコップは出しっぱなし(そこが置き場所)に、ゴミ袋のスト
ックはゴミ箱の中に、離乳食用の食器は専用かごに、今日の新聞・読みかけの雑
誌かご、DMや請求書、保育所からのプリントはとりあえずボックスに。これで
家族にもわかりやすく物が散らかりにくくなります。ちなみにかごは100円均
一などで売っているプラスチックのかごです。
5)とりあえずボックスをつくる
とりあえず散らかっているものを放り込むかごとそのかごをさりげなく置いて
おける場所を確保しておけば急な来客にもあわてません。
ダイレクトメールやらチラシ、保育所からのプリント、請求書やレシート、家
庭にもたくさんの紙類があります。これもとりあえずボックスへひとまず放り込
んで後から分類します。
机の上でも分類がすぐにわからない書類などはとりあえずボックスへ。
急ぎボックス、未処理ボックスなど、自分のわかりやすい分類で必要に応じて物
の置き場所を決めてしまいます。このとき、前回ご紹介した「タスクリストにボ
ックスがつながっていることがポイント」です。ただ闇雲にボックスばかり増え
てしまったのでは何をしてるかわからなくなりますから・・・。
6)隙間の時間を利用してその時間でできることをやる
洗面所を使ったらいつも置いてあるスポンジでさっと洗う。外出前にトイレに
行ってあと5分時間に余裕があったらついでにトイレの掃除をする。
電話した相手が電話中で折り返しの電話を待っているとき、メールのチェック
をする、回覧に目を通す。隙間の時間を利用してその時間にできることやるだけ
で、ちょっとしたことは片付いてしまいます。くれぐれもその時間内にできない
ことには手を付けないように。
どの項目も当たり前のことではありますが、ちょっとした一工夫、組み合わせ
てやること、時間を強く意識することがタイムマネジメントだと思うのです。
■執筆者プロフィール
中川 普巳重(なかがわ ふみえ)
京都リサーチパーク株式会社 成長企業支援部
中小企業診断士、ITコーディネータ、日本経営品質賞セルフアセッサー、
キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Eメール fumie-na@k4.dion.ne.jp
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