新たな段階における企業経営について/玉垣 勲

☆経済の基調変化 

 年金改革論議が活発に行われています。経済の成熟化(低成長)、高齢化・
少子化を受けたものです。
 また先頃16年1月1日現在の全国の公示地価が発表されました。これによ
りますと地価は、13年連続の下落でしたが、都市部の一部に横ばい、上昇が
みられ、下げ止まり傾向が強まったことがわかります。
 このような少子高齢化、地価の趨勢的動き・変化は今後の企業経営の舵取り
に相応の影響を与えるはずです。


☆環境変化への対応

 経済の転型期・変革期にあって、個別企業は規模の大小に拘わらず経営革新
が至上のものとなっています。資産デフレの長期化で、リストラによる規模縮
小を第一義としてきた経営も、新たな発展の可能性を模索する前向きの変化へ
の対応力発揮が問われます。
 

☆経営戦略・計画の再構築

 諸々の事象に変化の兆しが見られるいま、自社の人、もの、カネ、情報の4
つの経営資源を総点検して、未来への経営戦略を練り直したいものです。
「先んずれば人を制す」の譬えの通り、タイミングを逸することなく、社員全
員の英知で自社の内部経営環境(強み、弱み)、外部環境(機会、脅威)を改
めて検討し、中期経営計画の樹立ないし見直しを図り、「全員参加型経営」で、
この新年度4月からのアクションプラン(行動計画)の着実な実践につとめま
しょう。


☆積極的な投資行動へ

 身近な生活レベルでの「IT化」の流れとしての電子マネーによる金融取引、
行政府への「電子申告」、IP電話の普及などは、人々の生活スタイルを変え
つつありますが、IT化の流れは、企業内の業務プロセス、企業間の取引形態
に相応の変質をもたらします。
 個別企業の過去数年間の投資行動は、景気の長期低迷下、控え目、慎重でし
た。しかし、中期的にみても景気は好転への軌道を修正しつつあります。投資
行動も、生産・販売増強への体制再構築が必要です。
 その際に、欠かせないのが情報インフラの整備などのIT投資です。IT革
命が急進展の中、経営革新、経営効率化に威力を発揮するのがITツールです。
IT化は単にハードな設備の導入による効率化はもとより、そこに働く人々の
情報技術取得の知的好奇心を喚起し、モラル(ヤル気)の高揚に通じます。


■執筆者プロフィール

玉垣  勲   
ITコーディネータ、中小企業診断士、社会保険労務士
ファイナンシャル・プランナー(FP)、宅建主任、通訳ガイド
62歳(血液型・A型)星座・天秤座)
サラリーマン35年(信用金庫)後、自営へ転進、人生後半が人生本番とはり
きっています。会社員時代の職務経験・人脈、過去に取得の資格を生かして、
地域社会、地元企業、ご家庭のIT化に尽力します。
http://kigaru.gaiax.com/home/isa3915963