経営者にとって最も必要なこと、それは人を理解することです。営業でも、技
術でも、また、マーケティングでも、マネージメントでもありませんし、財務や
人事、資金調達能力でもないのです。ましてやITの知識などではありません。
もちろん、それらが全く不必要なものとは言っておりません。経営者なら社員
を引っ張る何かの得意分野を持つことはとても大切なことなのですが、一人で事
業をしている場合ならともかく、人を雇っている場合は「人」に関する問題が最
重要課題なのです。
「人」といってもいろいろいます。ただ居るだけの人、会社にとって宝のよう
な人、居れば困る人、居ることが罪な人…
これをバランスシートに表すと、次のようになります。
(流動資産)人材、(流動負債)人在
(固定資産)人財、(固定負債)人罪
流動資産の人材は、まさに素材でこれからの育て方によって、財にも罪にもなり
得る人です。固定資産の人財は、会社にとっては宝で、会社の利益を獲得する人
です。流動負債の人在は、ただ居るだけの人であまり役に立ちません。固定負債
の人罪は、居ること自体が罪な人で、テロリストのような存在です。もちろん、
会社にとっては早く辞めてもらうべき人です。
さて、入社したての新人は誰でも「人材」なのですが、それが「人財」や「人
在」または「人罪」に変わるのは何が原因なのでしょうか?
もちろん本人の適性の問題はありますが、経営者側にも問題があるのではない
でしょうか?社長が会社の理念やビジョンを語らない。社長が方向を示さない。
社長が私利私欲に走っている。社長が社員に仕事を教えない。社長が社員に仕事
を任せない。社長が社員をダメな人間だと思い込んでいる…ちょっとドキッとし
ませんか?
経営とは、社長が思っていることを社員の協力を得て実現することですから社
員なくしての経営は有り得ないのです。その社員を「人材」から「人財」に変え
ることが社長の最大の仕事なのです。そのためには人を理解するということが必
要です。人はみんな自分とは違うのです。顔の形も違えば生まれ育った環境も違
います。だから自分と違った考え方をもっていて当然なのです。そのことを理解
した上で社員に接するのです。社長の努力が足りず「人在」にしてしまった社員
はまだ取り返しがつきますが、「人罪」にしてしまった社員はもう取り返しがつ
きません。その場合は、すぐに辞めてもらう方が良いです。本人にとってもその
方が良いのですから…。でもその場合、社長はどうか猛烈に反省して頂きたいと
思うのです。何故、「人罪」にしてしまったのか?自分の何が悪かったのかを探
り、二度と同じ轍を踏まないと肝に銘じて頂きたいのです。そうしなければ、同
じことの繰り返しでまた「人罪」を作ることになりかねません。
■執筆者プロフィール
安井伸夫
有限会社経営サポート 代表取締役
税理士・社会保険労務士・ITコーディネータ
http://www.keiei-s.com
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http://www.keiei-s.com/semi.htm
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Dacia Freeburg (日曜日, 22 1月 2017 17:00)
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