☆日本社会
日本の社会を総評したものに、中根千枝氏の「タテ社会の人間関係」の名著が
あります。ここでは日本社会を特徴づけるものとして、和、蛸壷社会(組織、集
団の閉鎖性)、中庸思想(ある種あいまいさを大切にすること)、秩序重視、精
神構造にある儒教思想など指摘しています。本書は、日本社会の特質を明らかに
することに重点がおかれており、西欧の契約主義、個人主義重視の社会と対峙す
る内容になっています。
☆企業社会
これまで、この日本社会の特質は、経済・企業社会に相応の影響を与えてきま
した。すなわち、年功序列、終身雇用、企業内労働組合を特質とする「日本的経
営」が長きに亘り、高い評価を得てきました。
しかし、生産力年齢構成の変化(ピラミッド型から逆ピラミッド型へ)、経済
の成熟化による低成長経済への移行から、「日本的経営」は、トーンダウンして
います。すなわち、企業社会にあっては、グローバルスタンダード(市場原理主
義)、ビジネスモデル(やる気があり、伸びる企業の経営手法)など万国共通の
基準による企業の評価がなされるようになってきました。
☆企業社会とIT革命
この変貌のなか、IT革命は急速に進展してきましたが、この革命はいまは序曲
であり、この進展は21世紀の半ばまで続くとの識者の指摘があります。携帯電話
が重宝なものとなるなど、社会一般の人々のコミュニケーション手段も変わって
きました。当然に、企業社会のコミュニケーション手段も、メールの活用などで
大きく変化しています。IT革命のほんの一旦であるインターネット、メールの活
用がこれまでの経営スタイルを変えつつあるのです。
☆企業内での組織と個人の関係性の変化
IT革命の進展で、これまで組織の影にあった個人の役割、個人の発言が組織を
動かす原動力にもなってきました。これまでの会社組織では、情報伝達は、「上
意下達」が主流でしたが、双方向性、とくに現場からの情報発信が活発になって
きました。インターネット、メール、メーリングリスト、メールマガジン、ホー
ムページなど情報発信手段も多様化しています。
情報の収集力にしましても、これまでの「お上」優位、大企業優位は崩れつつ
あります。誰もが、必要に応じて、必要とする情報を入手できる可能性が出てき
たのです。
その点では、中小企業も、市場で大企業と互角に戦える土壌が出来つつありま
す。それどころか組織の柔軟性、環境変化への即応性では、逆に規模が小さいこ
とが有利にもなってきたのです。
☆IT化と人材教育、育成
にもかかわらず、ややもすると、IT化をハードな設備投資の観点でのみ捉えが
ちで、資金力に劣勢の中小企業はIT化に躊躇しがちであるのが現状ではないでし
ょうか。そうではありません。IT化は、「ヒト、もの、情報が三位一体」となっ
たソフトな投資であり、企業経営におけるIT化で重視すべきは、まずもって時代、
環境の変化いわゆるIT革命に、果敢に挑戦する「人材教育、育成」と、それによ
る経営革新(経営改革、業務改革)こそが、いま求められているのです。
☆人材教育、育成と「ITC京都」
「経営とITの橋渡し」役を自認する「ITC京都」は昨年発足し、2年目に入り
ました。わが組織およびそのメンバーは、引続き中小企業の活力増進、経営刷新
のための「ソフト開発」わけても新しい時代・環境に有事即応できる「人材教育、
育成」に、地域中小企業経営者の方々、従業員の皆様と手を携えてまいりたいと
存じておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
■執筆者プロフィール
玉垣 勲
61歳(血液型・A型)星座・天秤座)
サラリーマン35年(信用金庫)後、自営へ転進、
人生後半が人生本番とはりきっています。
会社員時代の職務経験・人脈、過去に取得の資格を生かして、
地域社会、地元企業、ご家庭のIT化に尽力します。
http://kigaru.gaiax.com/home/isa3915963
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