IT投資促進税制の創設について / 中川 秀夫

平成15年度税制改正法案が国会に提案され、3月末までに成立する見込みと
なっております。
 現下の経済・財政状況等を踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現する
ための「あるべき税制」の構築に向け、改正を行うこととして、具体的項目の中
に、わが国産業の競争力強化のための研究開発・設備投資減税の集中・重点化が
掲げられています。
こうした観点から「IT投資促進税制の創設」が予定されています。

(IT投資促進税制の内容)
1.平成15年1月1日から平成18年3月31日までの期間内に、一定のIT
関連設備等の取得等をして、これを国内にある事業の用に供した場合には、取
得価額の100分の50相当額の特別償却と取得価額の100分の10相当額
の特別税額控除との選択適用ができます。(ただし、当期の法人税額の100
分の20相当額が限度とされ、控除限度超過額については1年間の繰越しがで
きます。)
2.資本金が3億円以下の法人にあっては、一定のリース資産の賃借をして、こ
れを国内にある事業の用に供した場合には、リース費用総額の100分の60
相当額について100分の10相当額の特別税額控除ができます。(ただし、
当期の法人税額の100分の20相当額が限度とされ、控除限度超過額につい
ては1年間の繰越しができます。

(適用対象となるIT関連設備等)
1.パソコンやサーバーなどのハードウエアで適用を受けようとする事業年度の
おける取得価格の合計額が600万円以上(資本金が3億円以下の法人につい
ては、140万円以上)の設備。
2.ソフトウェアで適用を受けようとする事業年度のおける取得価格の合計額が
600万円以上(資本金が3億円以下の法人については、70万円以上)のも
の。

*実際はIT関連設備等として詳細に規定されています。(リース資産について
も同様です。)また、ソフトウエアについては、「販売するための原本及び研
究開発の用に供されるものを除く。」とされていますので、業務に利用するた
めのものとなります。

(適用対象となるリース資産)
1.パソコンやサーバーなどのハードウエアで適用を受けようとする事業年度の
おける新規リースの費用の総額の合計額が200万円以上の設備。
2.ソフトウェアで適用を受けようとする事業年度のおける新規リースの費用の
総額の合計額が100万円以上のもの。

*リース契約期間が4年以上で、かつリース資産の耐用年数を超えないものである
ことなどの要件をみたすものに限られます。

それではまた次回もお付き合いください。
今後とも、ご愛読のほどよろしくお願い致します。


■執筆者プロフィール

中川 秀夫(なかがわ ひでお)
税理士、ITコーディネーター、
1級ファイナンシャルプランニング技能士、不動産コンサルティング技能者
IT投資に関する支援を新機軸に経営計画、
建設投資、不動産に関する業務サポートを展開中。
お問合せ先:naka.h@dream.com