今や大企業もどんな理由で倒産するかわかりません、下請けは整理され社員と雖もリストラの対象。寄らば大樹の陰と安心していられません。地盤の軟弱な今の日本、大風が吹いて倒れるのは大きな木のほう。それならいっそ蔦のように背を低くして群生した方がマシ。今回はIT時代の群生の方法をご紹介します。
IT技術とともに発達してきたビジネスモデルとしてアライアンスがあげられる。アライアンスは提携とも呼ばれ、お互いの会社強みを活かして、一社では作り出せないものを作り出したり、経営資源を共有することで新たな戦略を構築するといったビジネスモデルである。
アライアンス方法には2通りの形態があり、一つは「垂直統合型」であり、もう一方は「水平統合型」である。
垂直統合型とは、例えば研究開発型会社と生産企業が提携して物づくりをし、さらに販売企業との提携を行い、商品を流通するといったサプライチェーンの構築である。いわゆるある分野で強い力を持った企業と企業が提携し、経営資源を補いながら築くビジネスモデルである。
もう一方の水平統合型は、同じ分野で企業同士が提携することによって、その分野での価値をさらに向上させるものである。
水平統合型のメリットは以下である。
【受注能力の拡大】ベンチャー企業や中堅・中小企業においては自社だけで受けられる仕事は少ないが、インターネットで情報発信をしたり共同受注をしたり、提携企業同士のネットワークをお互いに活用できるので受注の機会が増える。
【経営資源の相互提供】新しい業務を起そうとすると、人的資源、設備費用、情報投資などに新たに資金が必要になるが、水平統合により【資源の共有化】を図れ、固定費の削減ができるようになる。→財務内容の改善につながる
【新しい付加価値の創出】水平統合により、お互いの会社のノウハウの共有ができ、それが刺激になり一社だけでは開発できなかった製品が開発できる。
(水平統合型アライアンス)
ゼンリン、大日本印刷、博報堂の三社の提携でイーマップを立ち上げた。イーマップはゼンリンの保有する最新住宅地図やカーナビゲーションシステム用の地図をベースに企業情報や店舗情報を有料でインターネットの地図上に掲載するサービスを行っている。
■執筆者プロフィール
下山 弘一
シモヤマ会計事務所 所長
税理士・システムアドミニストレータ・ITコーディネータ
http://mykomon.ecall.co.jp/account/
http://www.e-komon.jp/
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